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腹式呼吸って結局なに?|ヨガで学ぶ呼吸の基本と続けるメリット

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ヨガの呼吸法がもたらす持続的な健康効果

ヨガは「運動」だけの枠に収まりません。呼吸を通して神経・循環・筋肉の働きに働きかけ、心と体の状態を整える“方法”として続いてきました。 その中心にあるのが、意識的に呼吸を扱うプラーナヤーマ(呼吸の調整)です。

本記事では、呼吸の解剖学(肺・横隔膜・肋間筋)を土台に、深い呼吸が体内で何を変えるのか、ストレス反応と呼吸がどう影響し合うのか、 そして継続が“持続的な健康”にどうつながるのかを、日常に落とし込みながら丁寧に解説します。

 
ヨガ呼吸
 

呼吸の基礎:肺・呼吸筋・ガス交換のしくみ

肺の役割:酸素を取り込み、二酸化炭素を捨てる

呼吸は「吸う・吐く」の動きそのものより、体内のガスを入れ替える目的が重要です。吸うことで酸素(O₂)を取り込み、吐くことで二酸化炭素(CO₂)を外へ出します。 この入れ替えがうまく進むほど、筋肉や脳へ酸素が届きやすくなり、疲れにくさ・集中のしやすさにも影響します。

肺の内部には「肺胞」という非常に小さな袋状の構造が無数にあり、肺胞の薄い壁をはさんで血液と空気が接しています。 ここで酸素が血液へ、二酸化炭素が肺胞へ移動し、吐く息とともに二酸化炭素が排出されます。

 

ヨガで「息が深い」と感じるときは、単に吸気量が増えているだけでなく、肺の下部まで空気が入りやすくなり、ガス交換に関わる面積が使われやすくなっている状態です。

呼吸筋:横隔膜と肋間筋が“空気の通り道”を作る

吸うときに主役になるのが横隔膜です。横隔膜が収縮して下がると胸腔(胸の空間)が広がり、肺が膨らみやすくなります。 さらに肋間筋が働くことで肋骨が広がり、胸郭の“広がる余地”が増えます。

吐くときは横隔膜と肋間筋がゆるみ、胸郭が元の大きさに戻ろうとする力で空気が外へ押し出されます。 つまり、呼吸は「肺が勝手に動く」のではなく、胸郭と呼吸筋が“容積を変える”ことで起こっています。

ヨガの呼吸法がうまくいかないと感じるときは、肺の問題よりも「胸郭の硬さ(肋骨の動き)」や「横隔膜の可動域」「首・肩の過緊張」が邪魔をしているケースが多く見られます。

 
肺
 

ヨガの呼吸:深い呼吸へ整える実践アプローチ

“深い呼吸”の正体:ゆっくり・下まで・途切れない

ヨガの呼吸で大切なのは「量を増やすこと」だけではありません。ゆっくり吸えて、ゆっくり吐けて、途中で詰まらずに流れが続くことが、結果として深さにつながります。 その状態になると、胸だけでなく肋骨の背面や下部にも動きが広がり、呼吸が全身に“しみ込む”ように感じやすくなります。

浅い呼吸が続くと、首や肩の補助筋(斜角筋・胸鎖乳突筋など)が頑張りやすく、疲れやすさや緊張感が強まりやすくなります。 深い呼吸への第一歩は「頑張って吸う」ではなく、「吐き切ってから自然に吸い込まれる状態」をつくることです。

腹式呼吸:横隔膜が動く“スペース”を取り戻す

腹式呼吸は「お腹を膨らませる呼吸」ではなく、横隔膜が下がることで内臓が前後左右に少し移動し、その結果として腹部に動きが出る呼吸です。 胸だけが動く状態から、肋骨下部〜みぞおち周辺まで呼吸の波が降りてくると、呼吸筋の負担が分散され、呼吸が安定しやすくなります。

実践のコツは、吸うときに「お腹を押し出す」よりも、吐くときに「下腹を薄くし、肋骨を少し内側へ戻す」感覚を丁寧に作ることです。 吐く動きが整うほど、次の吸気が自然に入りやすくなります。

 

ストレスと呼吸:自律神経の切り替えを呼吸で助ける

ヨガポーズ

ストレス時に呼吸が浅く速くなる理由

強い緊張や不安があるとき、体は“短時間で動ける状態”を作ろうとして交感神経が優位になりやすく、呼吸は速く浅くなります。 これは異常ではなく、危険に備えるための自然な反応です。

ただし、その状態が長引くと、呼吸が胸上部に偏り、首・肩がこわばりやすくなります。 呼吸が浅いままだと「落ち着こうとしても落ち着けない」感覚が続き、睡眠の質や回復感に影響することがあります。

呼吸で“戻す”ポイント:吐く息を長く、静かに

自律神経は「意志で直接切り替える」ことが難しい一方で、呼吸は自分で調整できます。 そのため、呼吸は“神経のスイッチ”に触れる現実的な入口になります。

特に、吐く息を少し長くする(例:吸う4、吐く6〜8)と、体がリラックスへ向かう合図になりやすく、心拍の落ち着きや筋緊張のゆるみに繋がります。 力みが強い日は「吸う量を増やす」より「吐く質を整える」ことを優先すると、息が戻りやすくなります。

さらに、呼吸に意識を向ける行為そのものが、思考の過剰な回転をいったん止め、身体感覚へ注意を戻す練習になります。 “今ここ”へ戻る感覚が育つほど、ストレスの波に飲まれにくくなります。

 

継続で起こる変化:呼吸が“体質”として定着する

呼吸法は、一回で劇的に変えるものではなく、積み重ねで“基準値”が変わる領域です。 継続すると、呼吸筋の使い方が洗練され、胸郭の動きが出やすくなり、日常の呼吸そのものが深まりやすくなります。

その結果として、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出がスムーズになり、疲労感の残り方・回復の体感・集中の持続といった“生活の質”に関わる要素に影響が出ます。 また、呼吸が安定するほど自律神経の揺れ幅が小さくなり、緊張から回復へ戻るスピードが上がりやすくなります。

ヨガの呼吸とアーサナを組み合わせる場合は、「吸う:広がる」「吐く:ゆるむ」を軸にすると、無理が減り、動きの質が上がります。 呼吸に合わせて動くことは、筋肉の力みを減らし、必要な場所へ必要なだけ力を届ける“調整力”を育てます。

ヨガ

まとめ

呼吸は“生命維持の自動機能”であると同時に、意識的に整えられる数少ないスキルでもあります。 肺と呼吸筋のしくみを理解したうえで、吐く息を丁寧にし、横隔膜が動けるスペースを取り戻すと、呼吸は深さと安定を増していきます。

その積み重ねは、ストレス反応で浅く速くなりやすい呼吸を“戻しやすい体”へ導き、日常の集中・回復・睡眠の質にも良い影響をもたらします。 ヨガの呼吸法は、特別な日に行うものではなく、毎日のコンディションを整えるための現実的な土台として活用できます。

 
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