40代からの妊活、必要な5つの視点：ホルモン・酸化・糖化・生活習慣・漢方的ケア

「赤ちゃんを授かりたい」と思う女性が30代、40代から妊活を始めるケースが増えています。結婚後、長期間にわたり不妊治療を続ける中で、焦りや不安、ストレスが積み重なることもあります。特に40歳前後は、生活習慣や日々の負荷の影響が出やすく、細胞レベルの変化やホルモンバランスの揺らぎに個人差が生まれやすい時期です。

女性ホルモン（エストロゲン・プロゲステロン）は20代前半〜35歳ごろがピークで、その後は加齢とともに減少していきます。エストロゲンが下がると、生理不順や不妊、早期の更年期症状などにつながることがあるため、妊活では「ホルモンの波を整える」視点が欠かせません。

そこで注目されるのがDHEAです。DHEAは「マザーホルモン」とも呼ばれ、男性ホルモン・女性ホルモンの材料となり、全体のホルモンバランスを支えます。一方で、ストレスはDHEAの分泌を下げやすい要因のひとつです。忙しい時期ほど、回復とリセットの仕組みを生活に組み込みます。

おすすめの運動

• ピラティス：体幹を意識し、背骨の整列と呼吸に集中しながら、全身バランスを整えやすい運動です。
• パワーヨガ／アシュタンガヨガ：動的に身体を動かし、代謝と循環を促しながら気分転換にもつながります。

呼吸で酸素を取り込みエネルギーを作る過程では、活性酸素が生まれます。活性酸素は「身体のサビ」と表現されることがあり、増えすぎると細胞のタンパク質や脂質が酸化し、機能低下につながることがあります。

身体にはSODなどの抗酸化酵素があり、活性酸素を無害化します。ただし加齢や生活習慣の影響で働きが弱まると、酸化ストレスが高まりやすくなります。食事・回復・呼吸をセットで見直します。

抗酸化に役立つ栄養素は「種類を分散して」入れるのがコツです。1つに偏らず、毎日の食卓で少しずつ積み重ねます。

• βカロチン：人参、パセリ、しそ、ほうれん草、春菊、ニラ
• アスタキサンチン：イクラ、鮭、エビ、カニ
• ビタミンE：かぼちゃ、アボカド、魚介類、ナッツ類
• ポリフェノール：ココア、チョコレート、そば、玄米、ターメリック、ベリー類
• フラボノイド：りんご、玉ねぎ、春菊、大豆、緑茶、紅茶

糖化は、余分な糖がタンパク質や脂質と結びつき、AGE（糖化最終生成物）を作る現象です。AGEが増えると、細胞の働きが落ちやすくなり、肌や血管などにも影響が出ることがあります。

糖化のカギは「血糖値の急上昇を減らすこと」です。食べる順番、噛む回数、食事時間など、今日から変えられる実践が多くあります。

糖化を抑える栄養素

• クエン酸：酢、レモン（糖の代謝を助け、急上昇を抑えます）
• カルノシン：鶏むね肉（糖化の進行抑制に役立つとされます）
• ビタミンB群：きのこ類（エネルギー代謝を支えます）
• αリポ酸：緑黄色野菜（抗酸化の面からも支えます）

妊活中の体調や服薬状況、持病の有無によって最適な方法は変わります。サプリメント・漢方薬・栄養療法などを検討する場合は、自己判断だけで進めず、医師・薬剤師・専門家に相談したうえで、無理のない範囲で取り入れてください。

漢方では、妊娠力の土台を支える存在として「腎」を重視します。「腎」は臓器だけの話ではなく、体力・回復力・成長・老化、生殖の力まで含む“根っこのエネルギー”のようなイメージで捉えます。

同じ年代でも差が出やすいのは、休息・睡眠・冷え・食事などの積み重ねが腎の状態に関わるからです。頑張りすぎている時こそ、回復の設計を優先します。

アラフォー世代の妊活は、加齢による生殖機能の変化に加え、酸化・糖化の進行、そして漢方的にみる「腎」の状態が重なりやすい時期です。だからこそ、ストレスを減らし、適度な運動で回復力を引き上げ、抗酸化の食事と血糖値の波を整える工夫を積み重ねます。

休息・睡眠・冷え対策まで含めて総合的に整えることで、年齢に左右されにくい「妊活の土台」を作っていけます。